マルヴェセアで人気の非加熱ピジョンブラッドルビー。
ピジョンブラッドの美しさは見た目で分かりますが、「加熱」「非加熱」については見て分かるものではありません。
コランダムに属する宝石の加熱処理にはどのような効果があるのか、実際に色は変化するのか?
天然の原石を用いた実験を混じえて紹介していきます。
加熱処理とは?
宝石はカラーをより鮮やかにする目的や、強度の維持、透明度を上げる為など、様々な処理が施されています。
その中でも加熱処理は最もポピュラーで、流通するルビーの9割以上が加熱処理をされていると言われています。ルビーやサファイアなどのコランダムに於いて、色の改善を目的として加熱処理が行われるのは一般的なことです。ですので加熱されているからと言って価値が下がるわけではありません。加熱で価値が下がるのではなく、非加熱の場合に希少性の高さから、かなり価値が高まるといったイメージです。
主に余分な黒みや紫みを除去し、本来の美しさを引き出すのが目的です。
加熱実験をしてみる
ごく一般的に行われる加熱処理ですが、本当に加熱で色の改善が見られるのか?どの程度の変化があるのか?
コランダムのラフストーン(原石)を入手して実験を行ってみました。
加熱処理には大きく分けて2種類あります。
1つは酸素のある状態で1,000度以上で熱することで、酸化し色が変化する方法。青みや暗いルビーなどをより明るく鮮やかに改善するにはこちらが適しています。
2つ目は1,600度以上の高温で時間を掛け、酸素の入らない状態で行う還元を使った方法です。ミルキーな原石や元の色が薄い原石にはこちらが施されます。
1~2分で原石が真っ赤に!
今回は簡易的な方法で、ガストーチで1,000度まで熱する酸化の方法で実験していきます。
熱していくと徐々に原石に熱が伝わり、赤くなっていきます。加熱を続けていくうちに1~2分で真っ赤に反応しました。高温で発光し明るく輝く様は非常に神秘的です。
加熱の様子。徐々に熱を帯びてきます。
冷める過程で色が暗く?
熱されて発光した原石は冷めていき光が無くなっていきます。途中暗くなり、そこから鮮やかな色が再び湧き出るように現れてきます。冷えていく過程でカラーが定着していくのが良く分かります。
冷めていき一度暗くなり、
カラーが定着していく
結果:
短時間でも鮮やかに変化!
加熱前と後を比べてみると、紫みや青みが減り、鮮やかさと深みが出ました。簡易的な器具による1~2分の加熱でこれだけの変化が現れたので、専門設備と時間を掛ければ、より鮮やかな色の改善がみられるのだと思います。
スリランカなどの現地では、長いものだと1週間程も加熱を続けることもあるそうです。
非加熱の持つ元来の美しさ
加熱処理により、コランダムの色はより鮮やかに、より美しくなることが分かりました。
翻って、非加熱(ノーヒート)のコランダムは原石の時点で加熱をせずとも美しいと判断されてそのままポリッシュされます。数ある原石の中から10%未満、ほんの一握りの鮮やかな原石のみが非加熱のまま流通しているのです。
今回、加熱処理をしないで美しいコランダムが、いかに希少で少ないかも相対的に分かったように思います。
非加熱ピジョンブラッドルビー
マルヴェセアの非加熱ピジョンブラッドルビーは、ピジョンブラッドという最上級カラーを誇りながら、非加熱の鑑別結果が出ております。加熱のルビーも美しいものが沢山ありますが、人工的な改善をせずとも最上級カラーを持つ、希少性と価値があるのが非加熱ピジョンブラッドルビーです。
リング、ネックレス、ピアスのシンプルからゴージャスなデザイン。
オーバルカットにペアシェイプカット、0.1カラットから2カラットの大粒まで。
デザイン、サイズ共に豊富にラインナップしております。
ぜひお手元でその希少性と美しさを感じて頂けましたら幸いです。
ちなみに
マルチカラーサファイアの加熱実験
ほかにも、マルチカラーサファイアのラフストーンも入手したので加熱を施してみました。元が暗めの原石でしたが、何度かに分けて加熱をしても、美しくなるような変化が起きることはありませんでした。
前述した、より高温で還元する方法を用いることで変化するか、既に加熱処理がされたものと考えられます。
闇雲に加熱を施せば全ての宝石が美しく改善されるわけではなく、熟練の技術と見極めが必要なのだと思わされました。
※今回の実験は専門家の指導の元、安全に十分な配慮を以って行いました。ご自身での実験を推奨するものではありません。
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